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リフォーム スペシャル・リポート

スペシャル・リポート

Vol.2 『中古住宅を賢くリノベーション“都心に暮らすガレージハウス”』

 ~「都心に暮らしたい」「ガレージがついた家がほしい」「負債になる不動産は抱えたくない」~ 
 そのすべてに満点の回答をだすことは難しい。
 S様が出した答えは、「都心の中古物件をリノベーションして暮らすこと」だった。

念願だった1階ガレージ
念願だった1階のガレージ 既存建物に水廻りを増設した
ご夫婦でアウトドアが趣味 「ガレージの家なら気軽に出かけれれる。」

 S様夫妻が家づくりを考えたのは2年前。
夫婦でアウトドアを趣味としているが、マンションでは駐車場までの道具の運搬がストレスのもと。「1階がガレージの家なら気軽に出かけられる」。それでも都心にガレージハウスを新築するのは、土地取得から考えると莫大な費用がかかる。「これから家あまりの時代になるので、過大な投資はしたくない」。S様はそう考えた。
 そこで選択したのが、中古物件のリノベーション。築年数が経過した建物は、更地より安く購入できる。その建物を活かせば最も廉価で理想の新居が得られる。そう考え早速不動産巡りを開始。探している物件のイメージが明確であったため、「1階がガレージになった重量鉄骨の物件を不動産屋が探してくれた」という。重量鉄骨は柱や梁だけで耐震性をもたせるつくりなので、フレームのなかの間取りは自由。すぐにこの物件を気に入り、購入する。そして、リフォーム会社を探すことになった。

「分からないことだらけ」なのが分かった

  インターネットや雑誌で情報収集をしつつ、ハウスメーカーやリフォーム会社とも接点をもちはじめたS様だが、情報が増えるにつれ、逆に不安が募ってきた。
「説明を聞けば聞くほど、自分たちが分からないことだらけなのが分かってきた」という。そんなとき、住まいのイベント「リフォーム博」というイベントに足を運び、 住宅コンサルティング会社・ネクストアイズの小野信一代表と出会う。「一番知りたいところをデータを用いて分かりやすく教えてくれた」とS様は振り返る。
 ネクストアイズには価格や得意な工法など過去の実績を元にしたデータが揃っている。「最も怖いのがぼったくりと手抜き。これを防ぐには中立的なコンサルに頼むのが一番いいと思った」。2回の打合せを経て、小野氏にコンサルを依頼。家づくりが大きく前進した。

つくり込まないことが大切

 S様の一番の要望は前述したガレージ。そして居住スペースについては、将来の家族構成の変化などに対応できる、つくり込まない間取りが求められた。さらにインテリアは、既存建物の雰囲気を残しながらモダンで機能的なデザインが、仕上げの面では、質感のある自然素材が要求された。
 こうした要望をもとに小野氏はハウスメーカーや工務店を4社選定、コンペ形式で各社の提案を比較することになった。
 このコンペのあり方が、ネクストアイズの特徴の1つ。一般的な住宅コンペは各社の資料をそのまま施主に渡して選んでもらうのだが、見積りの形式や記述内容がさまざまで比較検討ができない。同社の場合は、見積りの項目を共通化し、さらにコンペに参加した各社に、設備グレードや断熱工法などを聞き取りし、独自資料にまとめ直す。「コストの違いも最大で1割弱程度で、検討しやすかった」とS様は語る。
 じっくり検討した結果、工務店である匠陽と水石浩太建築設計室を選択。決め手は要望への理解度だった。「僕たちが大切にしていた『つくり込まない』ということを一番理解してくれた」とS様。小野氏はこの選択を、「標準品が中心のハウスメーカーよりも、こだわり肌のS様には合っていた」と振り返る。こうして役者が揃い、家づくりは本格的にスタートした。

部品単位のこだわりに対応

 リノベーションの大きな方針は、1階のガレージと外壁はいじらないというもの。逆に2・3階は内側から解体し、ほぼスケルトン状態にした。その上で耐震補強を施し、間取りを変えた。
こうした大規模なリノベーションにより、中古物件の家はまったく別の家に生まれ変わった。まず特徴的なのがプランである。最上階の3階にLDKをもってきている。これは、屋上の活用を念頭においてのことと、採光を重視したことによる。2階には寝室兼書斎と浴室・洗面が設けられている。
 インテリア面では、LDKの床材であるブラックウォルナットが目をひく。幅広のムク材というS様の要望に応えた水石氏の提案だ。そしてLDKの一角には畳ではなくカーペットの小上がり。カーペットの銘柄は以前から気に入っていた製品をS様が指定した。
 この家には、こうしたS様の提案が随所にある。キッチンのレンジや水洗、把手、そしてカウンタートップと手洗いが一体になった洗面台はS様が見つけてきた製品だ。キッチンユニットに関しては、大阪にある制作会社まで出向いて打ち合わせまでしてきてしまった。「普段使わない材料も採用することになり、いい刺激になりました」と水石氏もS様の情熱には舌を巻く。

毎日「本当にいい家だな」と思う

 この情熱をサポートしたのが、水石氏の対応力。S様の提案や質問について、可否やメリット・デメリットを丁寧に説明し、その上で機能的にも空間的にも破綻しないようにまとめていく。S様も水石氏の設計スタイルには大満足。
「細かい注文に付き合ってくれて、しかも僕たちの気がつかないところも格好良くしてくれました」と水石氏の設計を評価する。
 こうした絶妙な関係が成立したのは、匠陽のスタンスも大きい。「『どんな製品でも使えるので遠慮なく言ってください。施主支給品も受け付けます』と言ってくれたので、いろいろ提案できた」とS様は振り返る。匠陽とは、引き渡した後も、収納棚やカーテンを付けたりと、交流が続いている。「こうした縁が生まれたのも、小野さんにお願いしたから。設計者や施工者の選定だけでなく、耐震工事の補助金などのアレンジをしてもらったり、現場が始まってからも施工の確認調査など、ずっと付き添っていただきました」とS様は家づくりを総括する。

 こうして完成した家だが、S様の満 足度はきわめて高い。「『本当にいい家だ な』と毎日思いながら生活しています」。 家づくりに関わったプロたちにとって、こ れ以上価値のある言葉はないだろう。

外観After 玄関は赤色でポップなデザインに
[After]外観はサッシを交換し塗り替えた。玄関扉は赤色に丸窓でポップなデザインに。
外観Before
[Before]リノベーション前の建物。リノベーション前の3階の様子 奥は和室
既存の建具を生かしたレトロモダンなLDK
LDKは屋上の活用と採光を考えて3階に。既存の建具などを生かしたレトロモダンな雰囲気
60's家具による小さなくつろぎスペース
LDKの窓側には60's家具による小さなくつろぎスペースを設けた
蔵書が多いため、間仕切り壁を本棚に
間仕切り壁の一部を蔵書専用の本棚に。ガラスの建具は既存のものを使用
壁かけの液晶テレビ 掃除が楽になったという
テレビボードを省略し、すっきりとし、掃除が楽になったという。配線は壁のなかを通している。
デザインと機能性抜群!こだわりの洗面カウンター
S様が指定した設備の1つ 洗面カウンター。メラミン化粧板と手洗いがシームレスに接合され、デザインだけでなく掃除も楽だという。
こだわりのタイル使い 2階トイレの壁に
S様のこだわりの1つが多様なタイル使い。2階のトイレなど、各所に異なる種類のタイルが扱われている。
「本当にいい家だな」と毎日思いながら生活していると語るS様
S様「コンサルタントをお願いして良かった」
機能的なステンレスキッチン
料理好きのお二人に合わせた機能的なステンレスキッチン。レンジと手かけは施主支給。
2階の寝室兼書斎スペース
2階の寝室兼書斎スペース。将来的な可変性を重視して、現状はカーテン間仕切りとしている。
担当者より

家づくりアドバイザー 小野信一

あるイベントで相談に来られたS様ご夫妻。都心に中古住宅を購入済みで、自分色にフルリノベーションをしたいとのこと。自分色とは、あまり作りこまず自由な空間で、自然素材を生かしたちょっとレトロな家。ハウスメーカー、工務店4社をご紹介しましたが、最終的には細部のこだわりに真摯に対応してくれた工務店さんでお願いしました。
私が一番苦労したのが、補助金の申請代行。旧耐震基準の重量鉄骨でしたから、区では耐震化についての補助があります。その申請中に東日本大震災が起きました。基準が大きく変わり、申請中の建物にも影響。結果スケジュールが遅れてしまいご迷惑をかけてしまいました。それが一番の心残りです。しかし、完成度は一番。中古住宅+リノベーション事例の代表作だと思います。

家づくりコンサルタント 小野信一

ネクスト・アイズ株式会社

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DATA
東京都港区 S様邸
延床面積 115.78m2
建物種別 中古戸建て
リフォーム内容 リノベーション

コンサルティングのご相談

家づくりのプロセス
  1. 建設地

    ベースに「都心でガレージハウスを適切な価格で入手したい」という考えがあった。そこで、リノベーション前提で中古住宅を探すなか、重量鉄骨の優良物件に出会い、この土地建物を購入した

  2. 住宅コンサルタントに依頼

    ハウスメーカーやリフォーム会社と接点をもち、情報が増えるにつれ、自分たちが分からないことだらけなのが分かってきた。コンサルティングの必要性を感じていたときに、ネクスト・アイズと出会い、独自のデータ分析などを評価し、依頼することにした。

  3. 住宅会社選び

    さまざまな要望をネクスト・アイズに伝え、3社コンペを行って検討した結果、工務店である匠陽と水石浩太建築設計室のチームにお願いすることにした。「つくり込まない」という要望を一番理解してくれたのが決め手になった。いろいろな提案を見ることができたので、参考になった。

  4. 完成

    「本当にいい家だな」と毎日思いながら生活している。施主支給を含めて細部まで自分たちのこだわりを反映できて、とても満足している。工務店や設計者にも恵まれたと思う。特に工務店とは収納の制作などを通じ、いまでも交流が続いている。こうした設計者、施工者との出会いを生み、同時に耐震工事の補助金などのアレンジや施工の確認調査なども行う、住宅コンサルタントの存在意義も大きかったと思う。

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